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イノベーションの女神様

Innovation_of_the_Goddess, 2016.4.24, 2016.5.1

イノベーション発生率の向上案

日本の生産性の向上、小さな工夫から大きなイノベーションにいたるまで、変革や効率化を妨げている要因は、大きく分けて、ふたつあるようです。ひとつは外圧による終身雇用・年功序列による企業内団結力の低下で、もうひとつは、在日利権ネットワークなどによるライバル排除などによる権力掌握や技術情報流出などの裏工作です。

日本が高度経済成長を遂げたとき、危機感を感じていたアメリカは、日本の産業構造を分析し、日本の強さは企業の団結力にある、という結論にいたったそうです。これを弱める方策が、契約社員などの非正規雇用関連の制度だったとという説があります。非正規雇用制度は、結果的に終身雇用や年功序列など、企業の組織的団結力を弱めることに成功したようにみえます。2016.4.24

アメリカは日本の企業構造から良い点を学んだ訳ですから、通常ならその分析結果をアメリカに企業に活かすべきですが、本当に日本の弱体化を計画していたとすればたいへん残念なことです。2016.4.25

非正規雇用者の増加によって、日本の労働力は流動的に変化するものへと変わりました。これによって短期的には、必要なときに、必要な人員を確保するという、経営者側にとっては都合のよい状況が生まれました。経営者にとっては、たいへんわかりやすい都合のよさがありましたので、労働力の非正規化は進んでいきました。2016.4.24

短期的には利益を得た日本企業ですが、労働力が非正規化し、流動的となったせいで、労働現場の技術やノウハウが企業に蓄積されにくくなってしまいました。かつて司馬遼太郎が語っていましたが、技術の女神は気まぐれな女神様で、技術が使われる場所へ、すぐに移ってしまうそうです。

司馬の言おうとしていたことは、戦前から、様々な工場は新たに作られた場所で、技術が進歩し、結果的に高い技術力を得ることになったという歴史的事実や経緯について分析です。日本も大東亜戦争後、他国の戦争などをきっかけに、当時の日本の安い労働力を活かして生産活動にいそしみ、技術を向上させて先進国への仲間入りを果たしました。日本は何十年も技術の女神様に愛されていたという訳です。

その後の現在では、中国や韓国、台湾など世界の下請け工場のように見られていた国々は、工場での生産活動で技術力を高め、発展を遂げています。かつての下請け企業は技術力を高め、輸出企業へと発展をとげています。技術の女神様に愛された、技術を実際に使っていた国々の発展は目覚しく、経営の傾いた日本の有名企業シャープを買収したのはホンハイという台湾の企業です。ホンハイは米アップル社の下請けなどで着々と実力をつけていったようです。2016.4.24, 2016.4.25

現在の先進国は、目先の人件費削減という利益に飛びつき、生産工場を海外へ移転し、安い労働力を活用するということを行っており、これがよいことだとおおむね考えられているようです。2016.4.24

人件費削減という目の前の利益だけを見ると確かに効率的なことですが、長期的な技術力や生産性の向上を考えると、工場の海外移転は必ずしもよい方法とはいえないでしょう。技術の効率化や進歩、革新といったもの見込めない分野、たとえば単純な作業を繰り返すような分野、何十年もあまり進歩していないようにみえる分野であれば、海外移転して安い労働力を使ったほうがよいように思えるかもしれません。

しかし、技術の進化や効率化などは現在知られてる状態から簡単に予測できるものではありません。予測できる技術の進歩はすでに取り入れられているものです。現状から未来の技術の進歩を簡単に予測することはできません。予測できないところに技術の進歩が存在するからです。

単純労働とみられる分野もまだまだ効率化や進歩する可能性は残されていると考えたほうがよいでしょう。人々が向上心をもって労働に励めば、様々な効率化や進歩が可能で、小さな工夫がいずれはおおきなイノベーションを巻き起こすことも期待できるでしょう。

人件費削減を目的とした工場などの海外移転をすでに行ってしまった企業は、すぐに元に戻す訳にもいかないでしょうから、技術研究は研究所を作ったり、大学に依頼したりしていることでしょう。製造業で技術研究をしていない企業が工場を海外移転してしまっているような場合、その企業の長期的な発展はあまり期待できないでしょう。いずれは技術レベルが他の企業より劣ったものとなってしまうことが避けられないからです。

技術などの研究は専門の研究部門で行えば問題ないようにもみえます。しかし、日本の大学は世界的にもそれほどレベルが高くありませんので、そこから生まれる研究者のレベルも全体としてはそれほど高くはないでしょう(※1)。特別優秀な研究者が見つかれば問題ありませんが、平均化して考えると、成果があがる確率はそれほど期待できないでしょう。

日本の大卒エリートは、高校までの教育結果のテストでの高得点者にすぎません。学校教育というのは、学問を教えている訳ですが、高校までの教育は、すでにある理論や学説、そこから作られる問題を解く能力を育てるための知識の集積や技能訓練にすぎません。

大卒エリートといいますか、受験エリートの高得点を取れる能力自体は優れたもので賞賛に値しますが、日本の教育は誰も知らない新しいものを生み出すような研究者を育てるための教育には適していません。テストで高得点を取ることも、自由な発想が重要な研究も、どちらも得意な人もいることでしょうが、テストで点を取る方法や取らせる受験教育もかなりマニュアル化されてきていますので、研究者向きの人材が実際に大学の研究所にいるかどうかは、それほど期待できるものでもないでしょう。

特殊な研究装置が必要な分野は専門の研究機関を利用したほうがよいでしょうが、それ以外の分野では技術を使う現場での効率化や進歩に期待したほうが、現実的な技術向上が見込めるのではないでしょうか。大学などの研究機関ではノーベル賞の受賞を目指している人も多いようですが、企業で利益を上げるための技術革新にノーベル賞は必要ないでしょう。

現在の発展途上国(※2)が日本のように国を発展させるためには、様々な社会制度を整えたりしないといけないでしょうが、産業レベルでは、労働者の固定、非正規動労化が避けられない場合は、同一業種に同じ労働者を固定することで、生産性を向上させやすくなるのではないでしょうか。非正規雇用制度は労働の質、生産性を一気に下げてしまいますので、非正規労働制度は、なるべく避けたほうがよいでしょう。

日本には匠という言葉がありますが、これは特に技術の高い職人に対する称号のような使われ方をしています。どんな業種であっても質の高い専門技術者が尊敬されるような社会を目指したほうがよいでしょう。

私が最も生産性を上げ、イノベーションを起こせる国になってほしいのはアメリカです。日本は技術者を尊敬する文化がありますので、元々イノベーションを起こしやすい国になっているだろうと思います。それにくらべると、おおきく分類すると、金持ちや成功者が偉い、といったアメリカの価値観は、生産性の向上を考えると好ましくない文化といえるでしょう。

アメリカは特に世界に対する影響力が強いので、アメリカが貧富の差や格差の激しいような、庶民を大切にしない、政府の対市民モラルが低い社会だった場合、その価値観の影響を受ける世界中の国々でも、似たような被害が出てしまいます。

アメリカ式経済か何か知りませんが、アメリカ社会の貧富の差、格差社会を世界に輸出しないようにしてもらわないと困ります。アメリカには、マネーゲームがビジネスのすべてであるかのような方法ではなく、製造業やサービス業の質を上げ、産業の実態のともなう社会の発展を目指すことを期待します。

アメリカのマネーゲームはそろそろ限界に近づいているようにみえます。マネーゲームは所詮は他人に依存する寄生ビジネスにすぎません。アメリカには3億人を超える大人口があり、これは自国に巨大な市長をかかえているということですから、格差社会を是正し、内需を拡大すれば安定した成長をする社会に変革できるのではないでしょうか。

自国の労働環境や労働システムをイノベーションを起こしやすいシステムに改良して、海外企業や土地の買収などのマネーゲームではなく、自国の産業を育て、自国で利益を生み出せるような仕組みにすることを目指すべきでしょう。その過程で、アメリカの労働者の地位やモラルが向上していき、その価値観が世界へ波及し、世界中のモラルを向上させていくことでしょう。2016.4.24, 2016.4.25

今回の記事では、「日本社会の生産性は低い」かのような書き方をしてしいまいましたが、経済学者によると日本の生産性は高いそうです。経済のデフレは円高の影響で海外から輸入する材料などが安く手に入る影響もありますが、生産性が高いため、製品が効率的に生産された(良い物が安くたくさん生産できた)結果でもあるそうです。そうなると日本経済の不況に出口はないのか、ということになりますが、そのあたりは私には計りかねますので、経済の専門家の意見を参考にしてください。

私が言いたかったことは、日本も世界各国もまだまだ成長できる余地は残されているので工夫して頑張りましょう、といったことです。この点は経済学者もほぼ同じ意見で、経済学者も人手不足となる日本はもっと生産性を上げることができると言っていました。経済学的には労働力不足が生産性を向上させるそうです。2016.4.25

※1:日本の技術力は高い?

日本の大学も含めて世界の大学を評価している団体が存在する訳ですが、その評価の判断方法がどれくらい公正なものか、それ自体は簡単に判断することはできません。つまり、その評価が正しいのかどうか、どの程度信頼できるか、分からない部分もあるということです。世界的に権威のある情報元の多くは英米の超富裕層など巨大な利権団体に強い影響を受けていますので、彼らの都合によって、便宜のはかられた情報が公表されている可能性も否定できません。

日本国内には将来有望な研究もかなり行われているようですので、日本の産業に対してそれほど悲観的になる必要もないかもしれません。

対外的にみると、日本の技術は特亜の韓国・中国にすぐに流出してしまいますので、新技術を開発したのであれば、特許で利益を出すか、知られてもまねできないような、職人技の分野に力を入れたほうがよさそうです。日本の技術の20年、30年前から流出しているとみられていますので、今さら心配するような事態でもないかもしれません。

※2:途上国の教育

教員を大量に育成すると、日本の日教組のように、税金で養われていながら反日思想組織となって、日本の発展を阻害するようなことをやり始めることもあります。さらに教育で扱う内容は時代とともに変化しますので、教員も人材として時代遅れとなってしまいます。そこで、あまり教員を雇わずに、授業内容をネット動画化して、教育よりも試験、評価のほうに力を入れるほうが効率的な教育方法となるでしょう。ネット動画授業は、eラーニングなどと言いますが、先進国にはおおむね似たようなシステムがあるだろうと思います。

インターネットのインフラさえ整えてしまえば、後は、各自の問題意識に応じて学習することができます。人が教えるよりも、自ら学んだほうが学習効率も高くなります。足りない部分だけ、動画授業を追加していけば、かなりの分野を安価にカバーできるでしょう。

ネット動画授業のメリットは、人件費や教員教育コストのほかにも、最新の教育が誰でも受けられるというものがあります。高い授業料を払って3流大学のあまりやる気のない教授の授業を受けるより、優秀な大学の授業を誰でも受けられるようにしてしまうほうが、より高い学習効果が期待できるでしょう。

日本の小説家、村上春樹さんが、説明しても理解できない人には理解できない、理解できる人にはあまり説明しなくても理解できる、というようなことを小説で書いているそうです。教育、学習も似たようなところがあり、やる気のある人、学びたい人は自分でどんどん学んでいきますが、やる気のない人、学ぶ必要がないと思っているような人を教育するのはたいへん難しいことです。

語学や科学、コンピューター関連の知識などで、社会で活躍できると分かれば、学生も各自の目的意識に応じて、精力的に学習を進めることでしょう。

世界には、ネットインフラの前に電気インフラを整備しないといけない国もたくさんあるようですから、本当の途上国にはあまり役に立たない情報だったかもしれませんが、優秀な人材人が未来の国家を発展させていく訳ですから、いつかは役に立つ可能性もあるでしょう。過渡期の動画授業としては、さしあたり教育テレビのようなテレビ授業放送のほうが低コストで実現できるのかもしれません。

テレビインフラ実現にも、まだ何十年もかかりそうだという国についてですが、太陽電池や手動発電のラジオを作って、音声授業だけでも実現すれば、次の発展のステップにつながることでしょう。シリア難民もスマートフォンを持っている人がいましたので、いきなりネットインフラを導入することも、それほど難しくないように思えますが、紛争は利権をめぐる戦いですから、シリアが元々、産油国としてある程度豊かな国だっただけかもしれません。

途上国の情勢には明るくありませんので、これらの話しはあくまでアイディアとして、状況に応じて、それぞれ使えるときに役立てて欲しいところです。スマホが使えないような国では、集団ストーカーの効率的に行えませんし、テクノロジー犯罪もそれほど大きな被害にはならないでしょうから、そこだけはうらやましく思います。

被害回避の例外としては、特にひどい被害を受けている被害者が無人島に逃げてもテクノロジー被害にあったと告白しています。これは軍事衛星を利用した電磁波攻撃とみられますので、屋外でもひどい被害を受けている場合は、地球上のどこにいても被害からは逃れられないという説もあります。衛星ならば上方向からの被害ですから、アルミミラーのようなものを頭にかざすだけで被害が軽減してしまう可能性もあるかもしれません。2016.5.1

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