ご利用のブラウザではJavaScriptが無効になっています。すべてのコンテンツを閲覧するにはJavaScriptを有効にしてださい。

目次 > 社会不正(裏社会) > AIはネット集団知には勝てない >

コンピューターはある程度決まった動作や判断はできるが、そうでないものは苦手

Movement-and-the-thing-which-I-can-judge-it-but-is-not-so-that-the-computer-was-fixed-to-some-extent-are-weak-points, 2017/4/10, 2017/4/12, 評価(C)
コンピューターの基本的な機能は加減乗除の四則演算と比較・代入です。代入というのはデータの出し入れのことで、そのほかには関数呼び出し、反復(ループ)などもありますが、基本的には計算・比較・代入を順番通りに行うのがコンピューターの仕組みです。

コンピューターは四則演算などの物理演算であれば容量オーバーとならない限りは何桁の数字でも理論上は無限に行い続けることができます。ボールを投げるロボットに、投げるときの力の強さや向きと、投げた後の結果を記憶させ、次に投げるときにフィードバックさせる仕組みを持たせるかたちでは、得意の物理演算と記憶能力でディープラーニングが機能し、投球の精度がどんどん上がっていきます。

このボールを投げる様子を映像で見ると、初めは精度の低かった投球が、コンピューターの反復と学習によって最適な行動をとれるようになっているように見えます。AIとしては初歩的なもので、何十年も前からできたような技術ではありますが、そのほかのいろいろなことも、コンピューターが学習し最適な結果を予測することもできるようになるのではないかと期待させるような印象操作がその映像では行われていたのでしょう。これは実際には、反復といっても規定範囲内に限られた動作であって、よりよい結果をAIが予測したとは言いがたい動作実験にすぎません。

コンピューターが自分で学習するという点ではAIと呼ぶべきものですが、これは特定の物理的な動作の最適化にすぎず、実際にできることは、基本的には物理世界の動作に限られます。ディープラーニングで明るいAIの未来を予感させる映像は、実際にはコンピューターが苦手な観念的なもの、価値判断や全体性や関連性の認識などがない、物理世界のものにすぎません。

AI関連のテレビ報道などでは意図的にAIが万能であるかのような印象操作が行われている可能性があります。空を飛ぶ小さなヘリコプターであるドローンの姿勢制御能力はたいへん優秀でAIの未来を期待させるものではありますが、実際にAI利用が予定されている車の自動運転などを社会システムとして実現するための布石という意味のほうが強いのではないでしょうか。

inserted by FC2 system