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アメリカ軍の悪魔的な堕落

アメリカ軍の悪魔的な堕落
http://web.archive.org/web/20060213103013/http://www.idaten.to/meikyu/a074.html(魚拓)
●小児性愛症グループ

 今年の2月5日、ネブラスカ州リンカンの地方裁判所で、ポール・A・ボナッチ対ローレンス・キングの、常軌を逸した証言聴取が行われた。
 原告のボナッチは、被告のキングから、儀式による虐待を受けたと主張した。そして、被告は全国的な小児性愛症グループの一員であり、そのグループは、ワシントンの政治家ともつながりを持ち、軍と情報機関の上層部とも関係があるということだった。
 それから3週間たった2月27日、裁判官ウォーレン・K・アーバムは、キングがボナッチに対して、賠償金100万ドルを支払うという判決を下した。この賠償金は、ボナッチの弁護士ジョン・デキャンプが、「提示された証拠は、信頼できることを明らかに示している」と述べていた行為に対するものである。そして現在、キングは連邦刑務所に入っている。

 2月5日の証言聴取で、ノーリーン・ゴッシュが行った証言は、法廷にいた人々全員を唖然とさせた。それは、アメリカ陸軍マイケル・アキノ中佐(退役)が、全国的な小児性愛症グループと関わっているというものだった。
 1982年9月5日の早朝、ゴッシュの息子ジョニーは、アイオワ州ウェスト・デス・モイネスの路上で、新聞配達をしている最中に誘拐された。彼女は、息子が誘拐されてから、あらゆる手段と膨大な時間を使って息子を捜した。
 そして、アメリカの何千万という他の子供たちも、この身の毛のよだつような、文字通りに悪魔的な“儀式変質者”の地下組織に狙われる可能性があるのだということを世間に訴えた。

 ゴッシュは、法廷で次のように述べていた。
「私たちは調査を進め、そして、私の息子を誘拐し、ポールへの犯罪行為を働いた組織の犠牲になった人たち35名と話しました。彼らは、起こったことのすべてを立証することができます。
 この事件の内容は、手の込んだ機能を持っています。もちろんそれは、政府の計画から派生したものです。
 CIAは、1950年代にMKウルトラ・プログラムを開発しました。このプログラムは、冷戦の時に、外国でスパイ活動をするための一環として利用されました。CIAは、アメリカが他の国にスパイされていると思っていたからです。
 そのプログラムは、非常に成功しました。CIAは、とてもうまくやったのです。」

 次に彼女は、アキノに関する爆弾発言を行った。
「その時に、マイケル・アキノという人物がいました。アキノは軍人でした。そして、ペンタゴンのトップシークレットの取り扱い許可を持っていました。
 彼は小児性愛者で、サタニストでした。彼はセト神殿の創設者です。アキノには、アントン・ラヴェイという親しい友人がいました。二人は、大変積極的に性的虐待の儀式を行っていました。そして、政府の計画から来る資金を、子供の実験のために使っていました。
 彼らは、慎重に子供たちの人格を分裂させ、多重人格にしてしまうので、他の人が子供たちに質問をしたり、誓わせたり、嘘発見器にかけたりしても、その人が、多重人格障害者に質問する方法を知らなければ、証拠を見つけることはできません。」

 ゴッシュはさらに続けた。
「アキノとラヴェイは、その子供たちを性的に倒錯した政治家に当てがったり、支配しようと思う人物を犠牲者にしていました。私自身が最初にトラブルに巻き込まれた時から、事実が判明するまで、異常で奇怪な話ばかりです。私たちは、その証拠を文書の形で持っています。」

 デキャンプの質問を受けて、ゴッシュは次のように説明した。
「私は、マイケル・アキノがアイオワ州にいることを知っています。また、アキノがオフト空軍基地(オマハの近くにある戦略空軍の基地で、キングの活動と関係している)にいたことがあるのもわかっています。アキノがこれらの子供たちの多くとコンタクトを取っていたこともわかっています。」

 ポール・ボナッチは、犠牲者でもあるが、その全国的な小児性愛症犯罪シンジケートの一員でもある。ボナッチは、アキノがジョニー・ゴッシュを誘拐した人物であることを、後に確認した。2月5日の証言では、ボナッチは、ゴッシュを誘拐した首謀者は“大佐”であると述べている。

 2月5日の証言聴取で証言を行った二番目の人物、ラスティ・ネルソンは、キングの写真家であった。後にネルソンは、キングとアキノが関係している別の出来事について説明した。
 その時、陸軍特殊部隊の士官であるアキノは、まだ現役であった。1980年代の終わり頃、ネルソンはキングと一緒に、ミネアポリスのダウンタウンにある豪華なホテルにいた。その時、ネルソンは、現金と無記名債券のいっぱい入ったスーツケースを、キングが“大佐”に渡すのを目撃した。
 後にネルソンは、その人物はアキノだったことを確認した。ネルソンの言うには、キングはネルソンにこう言ったそうである。
「そのスーツケースは、ニカラグアのコントラのために用意したもので、“大佐”は、コントラを支援するための秘密組織の一員である。その他にも、オリバー・ノース中佐、副大統領ジョージ・ブッシュがその組織に関係している。そして、ホワイトハウスとつながりのある“秘密のパラレル・ガバメント(平行政府)”も関係している。」

 マイケル・アキノ中佐(退役)とは、誰なのだろうか。そして、ネブラスカ裁判所の証言聴取で明らかにされた証拠は、アメリカ軍の現在の状況について、何を語っているのだろうか。アキノのケースは、ペンタゴンの監視の目をすり抜けた、異様な逸脱行為の類なのだろうか。そんなことはない。


●アキノ、サタン、そしてアメリカ軍

 アキノは、1980年代のほとんどの期間を通じて、この問題の中心人物となっている。その問題の中には、ペンタゴンが、軍の内部で徹底した悪魔的行為が行われていることに対して、黙認していたということも含まれている。
 アキノは、小児性愛症に関する一連のスキャンダルにおいて、最も容疑をかけられている人物である。少なくとも、数百人の子供が性的な虐待を受けている。
 また、サンフランシスコのベイエリアにあるアメリカ陸軍プレシディオ駐屯地で、軍の職員として働いていた子供も犠牲者となっている。
 その上、こういう事実もある。アキノは、その小児性愛事件と関わりがあるかどうかについて、陸軍犯罪調査局の調査を受けていたが、その時でさえ、アキノは最高レベルの機密取り扱い許可を受けており、心理的軍事作戦を開発する仕事についていたのである。

 1987年8月14日、サンフランシスコ警察は、ロシアン・ヒルにあるアキノの自宅を捜索した。アキノの自宅には、妻のリリスが一緒に住んでいた。
 捜査が行われたのは、その家で、4歳の少女がレイプされたという申し立てがあったからだった。レイプ事件の主な容疑者は、ゲーリー・ハンブライトという人物だった。
 1987年9月、ハンブライトは、少年6人、少女4人を相手に、わいせつで好色な行為を行ったという理由で告訴された。少年と少女の年齢は3歳から7歳までで、その行為が行われたのは、1986年の9月から10月ということだった。
 ハンブライトは、プレシディオのアメリカ軍基地にある託児所の従業員だった。サンフランシスコ警察は、ハンブライトを送検する時に、「ハンブライトは少なくとも58件の児童性的虐待を犯している」と主張した。

 1987年10月30日の『サンフランシスコ・エグザミナー』の記事によれば、犯罪の対象にされた子供の一人は、「アキノとその妻もレイプに加わっていた」と言っていたそうである。その子の話では、バスタブの中で、ハンブライトがその子を愛撫しているところを、アキノ夫妻がビデオ撮りしていたということである。
 アキノの自宅は、セト悪魔神殿の本部として使われていた。その子がその家の特徴を詳しく述べたので、警察は捜査令状を発行してもらうことができたのである。
 捜査の結果、警察はビデオテープ38本と、写真のネガなどを押収した。それらの証拠品は、その家がアメリカ軍基地内部と、その周辺で活動している小児性愛症グループの中枢になっていることを示していた。

 アキノと妻は、その件では起訴されなかった。アキノは、事件当時はワシントンに住んでいて、国家防衛大学で、1年間の予備役将校過程を受けていたと主張した。しかしアキノは、その期間中でもベイエリアにたびたび行き、教会と家にも行っていたということは認めていた。
 アキノは、プレシディオで予備役訓練の副主任を務めていたが、ハンブライトの送検によって世間が騒いだので、陸軍は、セントルイスにある予備役人員センターに、アキノを異動した。

 1988年4月19日、連邦検事ジョゼフ・ルッソニーロは、ハンブライトに対して出されていた10件の送検内容を却下した。その理由は、児童に性的な虐待を行ったという証拠はあるが(6人の子供が、クラミジア感染症という性病にかかっていたので)、しかし、ハンブライト(またはアキノ)がその犯罪に関わっていたという証拠が不十分だからということだった。
 犠牲になった子供の親たちは、「ルッソニーロの対応の仕方は、連邦制度が崩壊して、3歳から8歳の子供の市民権を守れなくなっていることを証明している」と非難した。

 ルッソニーロは、後に、ニカラグアのコントラと、南アメリカのコカイン売買組織との関連を隠蔽しようという企てに関わっている。
 このことは、さらなる疑問を投げかける。それは、「ハンブライトとアキノを起訴しなかったのは、国家の機密保持という意味があったのか?」ということである。

 1989年4月22日、陸軍は、ハンブライトが性的いたずらをしたと思われる56人の子供たちの親に対して、手紙を送った。
 陸軍は、子供たちがエイズウィルスに感染していないかどうか、検査を受けるように強く勧めていた。デイケアセンターに勤めていたことのあるハンブライトは、エイズビールスの保菌者だという報告があったからである。

 1989年5月13日の『サンノゼ・マーキュリー』は、次のように報道している。
「最近、アキノとその妻は、陸軍捜査官の尋問を受けている。アキノ夫妻は、カリフォルニア州のソノーマ郡とメンドシノ郡において、子供に性的いたずらをしたという告発がなされているためである。
 カリフォルニア州サンタローザの9歳の少女と、同じくカリフォルニア州フォートブラッグの11歳の少年は、テレビでアキノを見た時に、アキノが1985年に起こった一連の事件のレイプ犯人であることを確認したということである。」


●サタンにだまされやすい人たち

 『サンフランシスコ・クロニクル』の記者は、プレシディオの陸軍士官とコンタクトを取った。記者は、アキノが小児性愛症の調査を受けた結果、アキノの機密取り扱い許可が取り消されたかどうかを確認しようとしたのである。
 記者たちは、ペンタゴンに行くように言われた。ペンタゴンでは、陸軍のスポークスマンであるグレッグ・リクソン少佐が次のように述べた。
「問題は、彼が信用できる人物で、仕事ができるかどうかということです。この件においては、我々が気にしなければならないような問題が存在することを、示しているものは何もありません。」

 ペンタゴンは、アキノが「サタン教会」と、それを継承した彼の“教会”セト神殿と、公的な関係を長年持ってきたことに対して、事実上の祝福をすでに与えている。アキノは、その悪魔的な活動の一環として、アメリカとヨーロッパのネオナチ運動を公然と支援していたという事実があるにもかかわらずである。
 1983年10月10日、“NATOの公務”で西ドイツに行った時、アキノは、バイエルン州ベベルスブルク城で、悪魔的な“仕事”をやったのである。アキノは、その儀式について長い文章を書いているが、その儀式の中で、アキノはナチ親衛隊長ハインリヒ・ヒムラーを呼び出したということである。
 その理由について、アキノは次のように書いている。
「ヒムラーは、ベベルスブルクを“世界の中心”だと考えていたし、“死者の広間”の中心は、暗黒の力を最大限に呼び出すためのセンターの門だからである。」

 早くも1978年4月の時点において、アメリカ陸軍は、“宗教活動のしやすい状況を作るため”として、『軍付き牧師ハンドブック』なるものを発行している。このハンドブックの中で、サタン教会とセト神殿は、アメリカ軍の中で容認されている“その他の宗教”として記載されている。
 サタニズムを扱っている章には、このように書かれている。
「サタニズムは、ウィッチクラフト(魔術)と混同されることが多いが、サタニズムとは、サタン崇拝である(サタンは“バフォメット”または“ルシファー”という名前でも知られている)。
 古典的なサタニズムは、黒ミサを行ったり、人間を犠牲にしたり、冒涜的あるいは非合法的な行為を伴う場合が多いが、そういうサタニズムは現在ではあまり見られない。現代のサタニズムは、儀式的マジックの知識と、1960年代の反支配階級的ムードを基盤にしている。
 また、現代のサタニズムは、実質的にではなく、イメージの上で古典的サタニズムと結びついており、通常は儀式的な装飾を使いながら、合理的に私利を追求することにポイントが置かれている。」

 しかし、1982年には、アキノがナチズムを強調したことを巡って、セト神殿に亀裂が生じている。指導者の一人、ロナルド・K・バリットは、アキノを除名にした少し後に、次のように書いている。
「アキノは、明らかに悪魔的な方向にセト神殿を持っていった。アキノは、ドイツ国家社会主義オカルティズムの傾向を強く持っている。……
 一つの不幸が、1982年5月から1983年7月の間に、セト神殿の信者の間で起こったのである。」

 そのハンドブックには、サタン教会の「サタンの九つの声明」が引用されている。それについてのコメントは載っていない。
 「声明7」には、次のように述べられている。
「サタンは人間を一つの動物だと見なしている。サタンは、人間が四つ足の動物よりも良いものだと見なす時もあるが、悪いものだと見なす時の方が多い。人間は、“神聖で知性的な発達”をしたことによって、最も邪悪な動物となったのである。」


●“心理作戦”から“マインドウォー”へ

 アキノは、アメリカ軍で昇進するのとほぼ平行して、悪魔的な世界のヒエラルキーを着実に上っていった。セト神殿が発行した公認の伝記には、次のような記述がある。
「アキノ博士は、セト神殿の高位聖職者であり、最高経営責任者である。セト神殿は、アメリカでも重要なサタンの教会である。
 アキノはセト神殿で、Ipissimus?Wという階級にある。アキノは、最初に創設されたサタン教会に1969年に所属し、1975年にセト神殿が創設された時には、そのサタン教会の幹部の一人になっていた。
 彼の世俗の職業は、中佐、軍事諜報部員、国内問題担当官、大使館付き武官である。彼の出た学校は、司令部・一般幕僚大学、国家防衛大学、防衛情報大学、国務省外交局研究所である。」

 アキノは、1989年3月付の履歴書を提供した。それには、もっと詳しい内容が書かれている。
 履歴書によれば、アキノは、サンタバーバラにあるカリフォルニア大学で、中性子爆弾に関する学位論文を書いて、1980年に博士号を取得している。
 1968年から87年の間には、16校の軍事関係の学校に通ったことになっている。例えば、北カリフォルニアのフォートブラッグにあるJFK特殊戦争センター、ワシントンDCのボーリング空軍基地にある防衛情報大学“戦略情報部”などである。

 アキノは、“軍事革命(RMA)”と呼ばれているものに深く関わっていた。これは、“第三の波”と“ニューエイジ”のいかれた考え方を、長期的な軍事計画に導入しようというものである。
 この計画によって、“情報戦争”“サイバー戦争”などの概念が、ペンタゴンの辞書に載ることになったのである。

 1980年代の初頭、トフラー夫妻は、タヴィストックの“第三の波”というユートピア的概念を使って、空軍の高級士官たちに取り入っていた。
 それと同じ頃、アキノは、同じく陸軍佐官のポール・ヴァレリーと、『ミリタリー・レビュー』誌に載せる記事を共同で執筆していた。その記事は、『ミリタリー・レビュー』には掲載されなかったが、軍のブレーンの人たちに広く浸透し、アキノのセト神殿の信者によって配布された。
 『心理作戦からマインドウォーへ――勝利の心理学』というその記事は、1980年にジョン・アレキサンダー中佐が『ミリタリー・レビュー』で書いていた考え方を支持していた。
 アレキサンダーは、スタンフォード調査研究所の一員だが、同研究所は、タヴィストック研究所とフランクフルト学派が提唱する“ニューエイジ”社会工学の温床になっている。

 アキノとヴァレリーは、明らかにニーチェ哲学的な戦争形態を提唱している。彼らはそれを“マインドウォー”と呼んでいる。
「我々は、エクスカリバー(※アーサー王の魔法の剣)のように、手を伸ばしてこの道具をつかむしかないのである。その道具を使うことによって、文明を導いていくのに必要な“勇気”と“高潔さ”を持ちさえすれば、エクスカリバーは、我々のために世界を変えることができるのである。
 エクスカリバーを受け入れなければ、外国の文化に我々の道徳性を吹き込むことができなくなる。その際に、我々にとって不満足な倫理体系を彼らが作り出せば、我々は、もっと残酷なレベルで、彼らと戦うしか方法はなくなるのである。」

 “マインドウォー”とは何だろうか。アキノはこのように書いている。
「“マインドウォー”は、非情で、恐怖を起こさせる用語である。これは、攻撃と勝利の言葉であるべきである。正当化したり、なだめすかしたり、和解するための言葉であってはならないのである。
 敵は、この用語を聞いた時に気分を害するだろう。敵が、それによって負けるとしたら、それはまったく正当な態度である。
 マインドウォーの定義とはこうである。マインドウォーとは、戦争に参加する者全員が持っている、『我々はこの戦争に勝つ』という、意図的で攻撃的な確信なのである。」

 アキノにとっては、“マインドウォー”とは、戦略的心理戦争の恒久不変の状態である。相手が友好国であっても、敵国であっても、同じなのである。

「マインドウォーの戦略的意味合いから言って、マインドウォーは、世界中の友好国、敵国、中立国にまで到達しなければならない。……
 それは、地球上のすべての人に実質的に届く能力のある、アメリカの所有するメディアを使って行われなければならない。もちろん、このメディアというのは、テレビとラジオという電子工学メディアである。
 人工衛星による通信技術、ビデオ撮りの技術、レーザー工学を使った放送技術など、このような技術の発達によって、ほんの数年前には想像もつかなかったほど、世界に心理的浸透を及ぼすことが可能になっている。
 マインドウォーは、何よりも、アメリカ国民そのものをターゲットにしなければならない。それは、敵がアメリカ国民に対して宣伝してくる内容を否定し、アメリカの国家利益についての理論的根拠を、我々の国民に対して説明し強調するということである。……
 むしろ、マインドウォーは、今は存在しなくても、アメリカの意思によって実現させられる“完璧な真実”を語るのである。」
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