HKS魚拓

バカの壁について

テクノロジー被害が激化するにつれ、バカの壁が増えていく

家族と自分、会社の人と自分、被害が軽い被害者と自分、世間と自分、テクノロジー被害が酷くなるにつれ、根本的に理解が出来ないバカの壁が増えつつあります。それは、仕方がない事なのですけどね。

男性が女性の出産の苦しみが理解できないように、一般市民はテクノロジー犯罪の拷問を理解できません。
想像する事は出来ても、その苦しみや犯罪の深刻さはわからないものです。

バカの壁
http://www005.upp.so-net.ne.jp/jikokaifuku/kotoba17.htm

●第一章「バカの壁」とは何か・・・・「話せばわかる」は大嘘

「話してもわからない」ということを大学で痛感した例があります。イギリスBBC放送が制作した、ある夫婦の妊娠から出産までを詳細に追ったドキュメンタリー番組を、北里大学薬学部の学生に見せた時のことです。

 薬学部というのは、女子が六割強と、女子の方が多い。そういう場で、この番組の感想を学生に求めた結果が、非常に面白かった。男子学生と女子学生とで、はっきりと異なる反応が出たのです。

 ビデオを見た女子学生のほとんどは「大変勉強になりました。新しい発見が沢山ありました」という感想でした。一方、それに対して、男子学生は皆一様に「こんなことは既に保険の授業で知っているようなことばかりだ」という答え。同じものを見ても正反対といってもよいくらいの違いが出てきたのです。

●これは一体どういうことなのでしょうか。同じ大学の同じ学部ですから、少なくとも偏差値的な知的レベルに男女差は無い。だとしたら、どこからこの違いが生じるのか。

 その答えは、与えられた情報に対する姿勢の問題だ、ということです。要するに、男というものは、「出産」ということについて実感を持ちたくない。だから同じビデオを見ても、女子のような発見が出来なかった、むしろ積極的に発見をしようとしなかったということです。

●つまり、自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。ここに壁が存在しています。これも一種の「バカの壁」です。
 
 このエピソードは物の見事に人間のわがまま勝手を示しています。同じビデオを一緒に見ても、男子は「全部知っている」と言い、女子はディテールまで見て「新しい発見をした」という。明らかに男子は、あえて細部に目をつぶって、「そんなの知ってましたよ」と言っているだけなのです。

 私たちが日頃、安易に「知っている」ということの実態は、実はそんな程度なのだということです。ビデオを見た際の男女の反応の差というのはかっこうの例でしょう。

●第七章の中に「東大のバカ学生」の項目があります。

 一番印象に残っている酷い例は、東京大学での口述試験での体験。頭の骨を二個、机の上に置いて、学生に「この二つの骨の違いを言いなさい」と聞いたことがある。すると、ある学生が、一分ぐらい黙った挙句に、答えは「先生、こっちのほうが大きいです」。「おまえ、幼稚園の入園試験でリンゴの大きさを比べているんじゃないぞ」思わず言ってしまったのですが、そういう学生が実際にいる。愕然、呆然でした。・・・・実物から物を考える習慣がゼロだということがよくわかった。・・・・思いつくままにいくらでも言えるはずです。それが「大きいです」でおしまい。「こっちのほうが大きいです」と幼稚園児なみです。

 これでは教師をやる気がなくなってしまう。そんな学生が東大を出て何年かしたら、偉いお医者さんだ、ということになるのだとすれば、責任が持てない。教師としてちゃんと教えろなんて言ったら、一人につきっ切りにならざるをえない。そんなコメディみたいなことには付き合えない。・・・・・

 まだ、他の大学なら許せるかもしれない。ああ、そういう子もいるかもしれないな、と思う余地はあるが、あれだけ偏差値が高いなどと言って天下の受験生が目白押しになって入ってくるようなところに、そういうのがいるとなると、人間の選別方法そのものが何かおかしいという風にも思ってしまう。

(引用終わり)

バカの壁があることを理解したうえで工夫をする

根本的に理解し合えない人たちの中にバカの壁を感じても、本当にどうやっても理解し合えないバカの壁と、こちら側の工夫次第で壊すことができるただの誤解の壁に分かれます。つまり、バカの壁と思い込んでいるだけのケースもあるのです。
まずは、誤解の壁を壊し分かり合うための工夫、そして、何より分かり合いたいという意識を持つことが大切です。

バカの壁は越えられないかもしれませんが、想像力と思いやりにより壁を縮めることは出来ます。
本物のバカの壁は越えられないので、距離を保つことも時には重要です。
特に、原理主義者はバカの壁が厚いです。

bakanokabe

新潮社 バカの壁
https://www.shinchosha.co.jp/book/610003/

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