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15092101.11.対テロ紛争平和的対話策 バルーンメッセージ

(2015/09/21)

・ 紛争当事者は批判を恐れている

先月の朝鮮半島の有事の際、韓国・北朝鮮間で準軍事警戒態勢などがとられ、地雷被害や砲撃騒動などありました。その際、北朝鮮側は韓国が批判放送を流した巨大なスピーカーを狙って砲撃したとみられています。国家紛争とテロとは別次元の問題かもしれませんが、ISILテロの首謀者も、いかなる和平交渉にも応じないように指示を出していました。

・ 紛争批判は解決に対する効果がある

これらのことから紛争の当事者が自らを批判されることを恐れていることがうかがわれます。何らかの思想統制のようなことを行っているのだろうと思われます。そのため、紛争の首謀者などを批判する情報を伝えることは、紛争解決に効果があることが見込まれます。

・ バルーンメッセージ 日本の戦後70年にあたる今、悲劇を繰り返さないために

和平交渉が禁止されたり、批判放送のスピーカーが破壊されたりすると、紛争解決に向けた情報を、被害地域の人々や、強制的に兵士にされているような人に届けることは難しいでしょう。

それを実現する技術がバルーンメッセージです。風船に手紙をつけて飛ばします。これは今を去ること70年以上の昔、当時は無敵帝国などと自称していた日本が世界に先駆けすでに開発に成功していた、大陸間弾道的爆弾、風船爆弾に由来します。当時の日本は風船に爆弾を付けて、太平洋を横断させ、アメリカを攻撃していました。多少は被害を与えたようですが、当時はアメリカが黙殺策をとっていたのと、敵国であったアメリカの情報がもともとあまり入ってこなかったこともあり、日本としてはどの程度の効果があったのかよく分からなかったため、あまり続けられなかったようです。

風船に手紙や花の種を付けて飛ばすという発想は、すでに一般的になっているアイディアではありますが、私が思いついたのが、風船爆弾のエピソードだったのと、日本の戦後70年にあたる節目で、戦争に対する反省の意味も込めて、かつて戦争に使われた技術を平和のために役立てたいと考えています。

・ 平和実現のためにどんな情報を送るべきか

日本人の関心度合いからすると、国連PKO活動か対ISILテロ有志連合の活動での利用が期待されるバルーンメッセージですが、どんな情報を送るのが有効でしょうか。交渉の専門家などに聞けばすぐ分かりそうな気もしますが、私のほうでも一応考えてみました。

「首謀者逮捕に対する報酬の情報」

国際敵テロであれば懸賞金のひとつもついているかもしれませんので、現実的な利益に関する情報を、主に兵士向けに送ります。

「難民受け入れ報道」

テロの兵士というより被害地の市民向けに、逃げることに成功さえすれば難民の受け入れ先がたくさんあることを伝えます。

「兵士の武装解除要請、降伏受け入れ準備や手順の情報」

ISILテロでは、現地の人を強制的に兵士として徴用しているという報道もありますので、彼らのような消極的な兵士、不本意な戦いを強いられている兵士に向けた、武装解除や降伏の手順や受け入れ準備があることを伝える情報です。

「小隊長格以上の逮捕要請」

テロや紛争の一般の兵士であれば、小隊長にあたる人間を捕縛すれば、隊全体の降伏を認めるといったような情報もよいかもしれません。

「テロ紛争側がいかに不利な状況にあるか伝える戦況報告」

ISILテロだと以前は4万人くらいの兵士がいたはずですが、これがどれくらい減ったのか、来年にはどれくらいまで減るかなど、具体的な数字と未来予測などは、人々の心に直接響くものがあるでしょう。

「降伏兵や難民がいかに安全で平和な暮らしをしているか伝える情報」

ドイツでビールを飲みながらソーセージを食べて楽しく過ごしている、といったような具体的な話は、紛争当事者の人々の心を強く揺さぶることでしょう。

・ 制空権をとっていればヘリから直接手紙をまいてもよい

ISILテロではすでに何度も空爆が行われていることから、すでに制空権は有志連合側がおさえていることが予想されます。テロ側が強力な迎撃ミサイルなどを所有している可能性もなくなないでしょうが、強力な兵器を持っているのに使ってこないというのはあまりにも不自然ですから、現実的には持っていないと考えてよいのではないでしょうか。

制空権をとっている状態は、日本でも安全な状態であるとして、安全な地域と判断されるでしょう。戦争や紛争は発生しているが、危険地域ではないという判断が可能です。その場合、自衛隊の活動も容認されるでしょう。ちょうど私の近所の群馬県相馬原駐屯地にも第12ヘリコプター隊というのがあります。おそらく輸送ヘリ3機、偵察ヘリ1機くらいは持っていると思います。実際には8時間近く意味も無く上空を旋回し続け、午後8時に定時になったから帰ろうと言わんばかりに、飛行を終了させたりしているようです。暇そうですから、必要であれば、ぜひ中東の安全にも役立てて欲しいと思います。

・ 上空からヘリでまくならパラシュート型でもよい

日本の花火に落下傘花火という、小さなパラシュートを空へ打ち出す花火があります。空からヘリでまくことを考えると、このパラシュートに手紙を付けるというのもよいかもしれません。日本の作っているのか、すでに中国あたりで大量生産しているのか分かりませんが、コストも安いでしょうから、おすすめです。

・ 理想は四面楚歌的な歌、できれば音声メッセージを伝える小型機械

テロや紛争が数年間続くと、教育が受けられず、文字を読むことができない若者が増えてゆくことになります。そのため、すでに文字のメッセージが伝わらない人がいることも予想されます。そのため、音声、できれば反戦や平和を伝える歌を使い、それを再生する小型機械をパラシュートなどで空からまくのが理想ではないかと考えています。

四面楚歌とは周り中が敵だらけ、敵に包囲されているような状態を表す言葉です。これは中国の史実が元で、今でも軍事的天才、天才的な軍事司令官とされている楚の将軍、項羽の逸話からきています。当時、負けたことのなかった無敵の将軍が、最後には祖国の歌が周りから聞こえてきたことから、敗北を悟り自害に追い込まれたという話です。

条件は違いますが、歌のメッセージ性、歌が直接的に与える心理的影響はかなり大きいのではないかと思います。コスト的な問題があるでしょうが、可能であればこれが一番効果的でしょう。日本では100円のおもちゃでも音声が再生されますので、意外と低コストで可能になるかもしれません。

・ ISILテロのネット活用状況からすると、メッセージ自体には限界があるか

ISILテロは、インターネットの動画サイトに犯行現場を投稿するほどまでにネットを活用していますから、テロ参加者が情報制限や思想統制を、どの程度受けているのか、疑問も残ります。しかし、和平交渉を禁止していることからして、バルーンメッセージなどの対話努力が、効果的な手段となる可能性は期待できるだろうと思います。

・ 国連などで武力行使の1ヶ月前から活動終了までの間、平和的メッセージを送り続けることを義務化してはどうか

さらに理想の話をすると、この部分のタイトルのような案になります。無駄な血を流さない、救える命は可能な限り救う、ということを考えれば、平和的な対話努力は行い続けるべきだと思います。シリアも平和になれば、難民も祖国へ帰り、難民問題も一気に解決に向かうことでしょう。

武力行使、難民受け入れ、その前に平和的対話努力のひとつとしてバルーンメッセージなどをテロ紛争などの解決の選択肢として追加してほしいと思います。(2015/09/21)

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