HKS魚拓

映画による洗脳:災害ムービーはどうやって大衆を「教育」するか by 気まぐれです。

(気まぐれです。)というサイトの魚拓から転載
(https://web.archive.org/web/20140313134955/http://bilininfojp.blogspot.jp/2013_05_01_archive.html)

原文 
http://vigilantcitizen.com/moviesandtv/contagion-or-how-disaster-movies-educate-the-masses/ 

ハリウッド映画はたいてい娯楽だが、そのプロットにはしばしば特定のアジェンダが隠されている。特に興味深いのは、様々な公衆危機によるこの世の終わりを扱う「災害ムービー」である。基本的な構成はすべて同じだ。この記事では災害ムービー「伝染」が、危機が起きたら誰を信頼すべきで、誰を信頼すべきでないかを観客に「教える」様子を見ていく。


ほとんどの人々は楽しむために映画を観るものだが、「伝染」には楽しめる要素が何もない。事実、この映画と、国がバックにつく教育映画(学校で上映されるやつ)との唯一の違いは、「伝染」の場合、こちらがお金を払って教義を植え付けられるということと、マット・デーモンが出てくる、ということだ。冷戦中、子供たちは「核攻撃があったら机の下に潜りなさい」というビデオを見せられていた。「伝染」は「危機があったら戒厳令が発せられると考えなさい、そして最初に手に入るワクチンに身を委ねてしまいなさい」と大衆に植え付ける。


マット・デーモン、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロー、グゥイネス・パートローのような大スターたちを起用した「伝染」は、大々的なハリウッド映画であると同時に、特定の国内/国際機関を宣伝しながら大衆の特定の行動を励ますという、情報CMにもなっている。


映画の筋立ては、2009年の新型インフル大騒ぎに基づいているようだ。あの時は、多くの人々がウイルスの実際のリスクを疑問視した。巨大なワクチンキャンペーンつきの恐怖のニュースが何ヶ月も流布された後、大衆の多くは、新型インフル騒ぎはおそろしく誇張されたもので、ワクチンは不必要だと考えた。




2009年11月の世論調査結果によれば、カナダ人の53%が新型インフルウイルスのリスクは誇張されていると考えていた。





こ の「危機」発生に際して、国連機関・世界保健機構(WHO)はボロクソに非難され、巨大製薬会社と結託してワクチンを売りつけようとしているとまで言われた。米国の感染症コントロール予防センター(CDC)の信頼も地に落ちた。というのも、CDCは新型インフルの発生数について大衆を誤誘導していた (例えばこのCBS Newsの報道を参照)ことが、捜査によってバレたからだ。だからこれら2つの機関は、信頼を取り戻し、大衆を心底怖がらせるのにちょうどいいような宣伝を必要としていた。そこで映画「伝染」の登場である。


「伝染」はCDC、WHO、その他の政府機関の積極的な協力のもとで製作された。その機能は明らかだ。これらの機関が宣伝するワクチンキャンペーンを正当化するような、ハイパーリアルな災害シナリオを提示しつつ、それを批判する人々の信頼を落とすことである。


フィクションであるというヒントは、映画の中に何ひとつない。むしろ、なるべくもっともらしく、大衆が怖がるようにするために、実在する場所や政府機関を使い、最大限リアルになるよう作られている。映画のスローガンは「恐怖ほど広まるものはない」なのだが、困ったちゃん、まさに恐怖を広めようとしているのだ。メッセージは「何も誇張などしていない。次回ウイルスが発生したら、こちらの言うことを聞け。さもなければお前は死ぬ」である。




災害ムービーの機能

災害ムービーは、しばしば、時には魅惑的な「もしそうなったらどうする」ふうの冒険、アクションまみれのスリリングな作りになっている。過剰すぎて、空想の世界に入ってしまう映画もある。一方で、「伝染」のように、リアリズムと実際のできごとを強調する映画もある。


それを観た観客は「こういうことは自分にも起きるかもしれない」と考えてしまう。災害ムービーは、最近のできごとが大衆心理に与えた見えない恐怖を利用する。視聴者の中に緊張と恐怖を呼び覚ますために、不安とトラウマを増幅させる。それからこれらの映画の「アジェンダ」の要素が入ってくる。問題解決のための、最善かつ唯一の方法を提案するのである。


特定の団体や機関は、「危機の最中に助けてくれる、信頼でき名誉ある存在」として登場する。それ以外の存在は、妨害者または裏切り者とすら描かれる。それに続くドラマは「予測プログラミング」の事例となる。映画の中で問題解決のためにとられる手続きがそれ以降の大衆の実生活で起きた場合、ふつうのことに見えるようにするのだ。


ジャーナリストで作家のIgnacio Ramonet が、「静かなるプロパガンダ」という本の中で、災害ムービーの中で常に提示されるメッセージについて書いている。




「災害は、すべての事例において、全権力と輸送手段を国家機関(警察、軍、「専門家クルー」部隊)に対して委ねることになるような、一種の”緊急事態”を引き起こす。これらの機関は究極の頼みの綱として描かれ、組織力と知識のおかげで、危険・混乱・社会の腐食に立ち向かう能力を持つ、唯一の機関であるとされる。(…) 国家機関や政府権力によって解決されない災害など存在しないかのように、一般大衆に提示される。」


かけがえないお上の重要性が示されると共に、大衆はパニックに陥りやすい馬鹿の群れで、暗闇に入れておくべき存在とされる。


「災害ムービーにいつも出てくるもう一つの点は、市民の幼児化である。惨事の規模と、大衆が直面する危機については、しばしば市民の目には隠されている。市民はいかなる意思決定プロセスからも排除されている。例外は、マネジャーや、技術的専門家(エンジニア、建築家、実業家)で、彼らは危機への介入のために呼ばれる。だが、それにしても常に国家機関を通してである。

一般大衆はしばしば、無意味なエンタメで気を散らされている。そして、「父親のように慈悲深い」エリートの言葉につべこべいわずに従うことが促される。エリートは、大衆を守るためには何でも(自己犠牲まで)するというのだ。つまり、災害ムービーとは、娯楽としての価値を越え、危機への「政治的反応」も提示することが証明される。

空想物語のようなナイーブなモードの影に、静かなメッセージが大衆に伝えられる。軍隊、警察、”有力者”などによって社会の復興・再建の陣頭指揮が取られるのをエリートが心から望んでいるということだ。それが、部分的に民主主義を犠牲にするものであっても。」



「伝染」は、この災害ムービーの青写真にぴったり沿っている。のっけから、特定の機関にでかくふるまう権力が自動付与される。具体的にはFEMA、WHO、米国赤十字、およびCDCだ。


では危険な疫病が発生した時の解決策として、この映画が提案するのは? 戒厳令と大衆ワクチン注射だ。もし本当に疾病が発生したら、何が起きるのか?戒厳令と大衆ワクチン注射だ。危機に対するこの種の徹底的対応を大衆が疑問視するだろうか?しないだろう。なぜなら何百時間ものメディア情報で、この種の状況のために大衆の準備を整えてあるからだ。


「伝染」の中の主な要素、メッセージをみてみよう。




恐怖はウイルスより速く広まる

映画はまず、わずかな数の病人が日常生活を送ることで、いかに何千人もに伝染させることができるか、見せるところから始まる。この導入部分のポイントは単純で、「死のウイルスは、ものの数日で世界中に広まってしまう」である。 このリアルで恐ろしいシナリオは、大衆の心をつかみ、恐怖を引き起こすのにとても効果的だ。これらのシーンの中では、たとえばコップなど、ウイルスを媒介するかもしれない日用品に対して、数秒よけいに長くカメラのレンズが向けられる。「私だってああいうものに触ることあるじゃん!私もそうなっちゃうかも!ああああ(濁点)!」と観客に気づかせるのに足る長さである。





この病んだ男性が、バスの乗客全員にうつしかねない。劇的にして恐怖を加えるために、大都市の名とその人口が挙げられる。




あなたに渡されるコップの水に気をつけろ・・・



母親のハグすら安全ではない。







ウイルスに感染した人のほとんどはあまり長く生きない。いくつもの心を引き裂かれるシーンで、メインキャラの1人、ミッチ(マット・デーモン)の妻と息子は、ウイルスで死んでいく。この悲劇から、観客は「私にあんなことが起きたらまじで最悪だ!あああっ!」へと導かれる。 

ベス(グゥイネス・パートロー)がウイルスで死ぬ場面はかなりむごくなっており、恐怖を煽るのに確実に役立つ。

この映画は新型インフルの発生と、メディアによる大騒ぎのわずか2年後に出てきた。つまりその恐怖がいまだ多くの人の中に潜んでいた時だ。


「伝染」のこれらのシーンは、人々の中に植え付けられた「恐怖ウイルス」をふたたび活性化し、さらに上塗りする。パニックを引き起こすシーンが数分続いたのちに、ほとんどの観客は「ぎょえー、このウイルス、誰かがどうにかしてくれないと!この人、奥さんと子どもを失くしちゃって、悲惨すぎる!うわああー!!!」と言うだろう。そして、ヒーローたちが登場し、コトの主導権を得る。彼らはたまたま映画の製作にも関わっている・・・・。




主導権を得る機関

「伝染」の中では、ウイルスの脅威が起きるや否や、米国政府は即座にまるごと「非公開の場所」へと避難し、「オンラインで業務遂行する方法を探す」。いっぽう、現実に存在している特定の非政府組織(NGO)が映画の中で「英雄」として特定され、危機対応する展開となる。これらの機関が観客に対して宣伝され、正当性と信頼性を与えられる。しかし、新世界秩序のための世界エリートのアジェンダについて学んでいる人々ならば知っている。 これらの機関が、そのアジェンダとそれに伴うすべてをプッシュするために存在しているということを。。つまりこの映画のメッセージは「もしこういう危機が起きたら、政府は消えて、民主主義は一時停止し、NGOが乗っ取るからね」である。




登場する機関は、






いつもワクチンキャンペーンをでっかく宣伝してきた米国感染病コントロールセンター




新型インフルの時、「即時の情報ではなく恐怖と混乱」を広めたことで非難されたWHO。しかしこの映画の中では、問題解決のための重要なファクターになっている。




FEMA (連邦緊急管理庁)と米国赤十字が市民を管理。「伝染」は、緊急事態がいかにとっとと戒厳令に繋がるかを示している。それは自動的にFEMAが運営する民間人収容所の設営に至る。ハリケーン・カトリーナの後、FEMAはよいPRを必要としていた。


もちろん米軍がそこらじゅうにいる。なぜなら戒厳令とは「緊急時において指定地域に軍当局が敷く軍事秩序」であるから。

というわけで、「生物的危機」発生に際して、民主的に選挙で選ばれた米国政府は解体され、特定の機関(CDC,WHO, FEMA, 米軍)が社会を切り盛りする。そしてそれは非常に特定的なやり方で進んでいく。戒厳令と民間人収容所だ。

戒厳令

「伝染」の中では、MEV-1という死のウイルスと、その発生による社会的な結果が、ある特定のやり方で描かれる。まず、常にアホで家畜のようで暴力に走りやすいとして描かれる一般大衆が、混乱に陥る。大衆はいつも、パニックになり、叫び、盗み、喧嘩し、略奪する人々として示される。これが社会秩序崩壊と、無法状態につながっていく。




薬を手に入れようとして、薬局を略奪する失礼な集団。


一般人が集められるシーンではすべて、さんざんな展開となる。これは、「父性的」権力に面倒をみてもらう必要がある「幼児化」した大衆というコンセプトに沿っている。そして当局が全権掌握する。




米軍が戒厳令を敷き、すべての交通を遮断し、ミネソタ州を隔離状態におく。州を出ようとする人々は、Uターンして帰宅しろと告げられる。
それから市民たちはFEMAキャンプに連れて行かれる。




このスタジアムがFEMAキャンプに変えられる。




市民たちは、健康な人さえも権利を剥奪され、FEMAキャンプに連れていかれ、そこで食べ物と寝場所を与えられる。このシーンでは、キャンプの人々用の「個々の食事」の不足により、小さな暴動が起きる。




陰謀論者

特定のグループや機関が映画の中で「能力が高く」「信頼できる」とされる一方、他のグループは極めて異なる扱いを受ける。具体的にはオルタナティブメディアだ。アラン・クルムウィード(ジュード・ロー演じる)という人物を与えられたオルタナティブメディアは、センセーショナリズムと儲けのことしか考えていない信頼できないソースとして描かれる。つまりこの映画は、「公的」ソースから来ていない情報は正しい情報ではなく、危険をはらんでいる可能性がある、と示唆している。あまり表現の自由を尊重するメッセージとはいえない。




アラン・クルムウィードのブログ”Truth Serum”は、ネット中に存在する多くの「オルタナティブニュース」によく似ている。マスコミや政府筋から来ないこの種の情報のことは、全然肯定的に描かれていない。


アラン・クルムウィードは、疑問符の点灯する職業倫理に従っている、ジャーナリストや科学者たちからの大した尊敬もない怪しげなブロガー、としてのっけから描かれる。彼が「クロニクル」という新聞に寄稿しようとすると、証拠不足で拒否される。ウイルスについて科学者にコンタクトを取ると、「ブログは執筆活動ではない。句読点つきのグラフィティだ」という返事が来る。


「きちんとした」ところからの尊敬を欠いているにもかかわらず、クルムウィードにはたくさんの読者がいて、ブログサイトには「日々、何百万人もの訪問者が来てくれている」と誇らしく書いてある。彼はそのブログでこう書く。MEV-1ウイルスの治療法は存在していて、それはForsythiaというが、ワクチンを売りつけたい権力者たちによって押さえつけられている、と。また、当局が勧めるワクチンを打たないよう、読者に注意するのだった。


政府はこの種の反抗を許さないとみえる。クルムウィードは、彼を逮捕する仕事の工作員にハメられる。ワナに気づいたクルムウィードに、工作員は言う。「アラン、俺には選択の余地はなかった。彼らはあんたのブログを見たんだから」。そして、どこからともなく現れた政府機関のエージェントが、クルムウィードを「治安詐欺、陰謀、そして.故殺罪」の疑いで逮捕する。




クルムウィードはブログの中身のせいで逮捕される。”オルタナティブな”情報源に対して、映画「伝染」は強力なメッセージを発信している。「公的な情報源」から逸れることは、危険で違法な行為だぜ、と。


のちに、Forsythiaのことは嘘で、それを読者に勧めたクルムウィードは 450万ドルを得ていたという話が出てくる。国土安全保障局長官は、彼のことを「長い間」投獄しておきたがる。だが、彼の人気のせいで保釈処分となる。長官いわく「あんたみたいにクレージーなのが1200万人もいるんだよ」。




アラン・クルムウィードのキャラと彼が描かれている手法は、いくつかの理由でおもしろい。まず、そこにはブログやオルタナティブサイトの世論への影響力の強まりが反映されている。情報を独占していたいエリートにとっては不都合な最近の現象である。この人物を、不誠実で腐敗して大衆には危険なキャラとして描くことにより、映画はその手のライターを萎縮させ、逮捕すら正当化している。そのすべてが合衆国憲法修正第一項に違反していることなど、映画の中では誰も気にしていない。


第2に、2009年にH1N1ワクチンがリリースされて大量ワクチンキャンペーンが企画された際には、多くの市民や権威ある人々(公衆健康担当、医師、専門家)がそれに反対した。彼らは、ワクチンは不必要なものであり、検査不十分で、ネガティブな副作用があると主張した。

アラン・クルムウィードという腐った人物を「反ワクチン運動」とつなげることにより、この映画は大量ワクチンキャンペーンを疑問視するすべての人の評判を落としている。また別のウイルスが登場したときに、「伝染」の観客たちはこれらの運動をもっと無視しがちになるかもしれない。

つまりこの映画は「陰謀論者たちは公衆の安全への危険をもたらす腐敗した嘘つきなんだから、逮捕されて当然でしょ」と言っている。「陰謀論者の言葉を聞くな。怪しげな治癒法で儲けようとしているだけだ。だが、ワクチンでさらにもっと巨額な金を儲けようとしている連中はいいやつなのだ・・・さもないとあんたは死ぬ」と。


究極の解決

何ヶ月もの恐怖が続き、何千万人もの死者が出た後、人類を救うための最終解決策が登場する。大衆へのワクチン接種だ。




ウイルス問題の唯一の解決策? ワクチンキャンペーン


ワクチン注射を受けた人々には、スキャンできるリストバンドをもらえる特典がつく。これによってショッピングモールなどの公共の場所に行くことを許される。

ワクチン注射を受けると、バーコードを渡され、あちこちに行ける。ワクチンを打たないなら、ずっと家にいて、死ぬらしい。




結論

「伝染」はフィクションと見せかけて、当局が大衆にのませたい重要なメッセージをいくつか伝えている。それをやるために、(1)過去に実際に起きた特定の問題を出し、(2)状況を仕切る権利のある機構の名前を挙げ、(3)問題解決に必要な唯一の解決策を提案する。その解決はよかあない。政府解体、戒厳令、民間人収容所設営、ワクチンキャンペーンの強要、言論の自由の弾圧だ。民主主義と市民権は一時停止され、コントロールの効いた監視社会の設立を見ることになる(バーコードを使って)。

「伝染」のような災害ムービーは、娯楽用だけに作られているのか?それとも、災害時には何が許容範囲で何がそうでないのか、大衆に教えるために使われているのか?WHOは人々を楽しませるために映画に協力したのか?

興味深い事実がある。WHOが新型鳥インフルの死亡率を誇張したと非難されたのと同時にこの映画のDVDがリリースされたのだorz。しかもWHOは、最近、変異型で伝染性の強いバージョンのウイルスについてのリサーチ公開を許可した。戒厳令を正当化するために、兵器化されたウイルスが世に放たれることもあるだろうか?いや待った、私はもしかしたらそんなこと言うべきでないかもしれない。「治安詐欺、陰謀、故殺罪」で逮捕されたくないが。










ポップミュージックの中のトランスヒューマニズムと警察国家化アジェンダ
http://bilininfojp.blogspot.jp/2013/05/blog-post_9576.html

アマンダ・バインズも芸能界マインドコントロールの犠牲者?
http://bilininfojp.blogspot.com/2013/09/blog-post_10.html



映画の真実と無知の闇
http://bilininfojp.blogspot.jp/2013/09/blog-post_2473.html
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